Dockerの使用法についての質問をいただいたので、具体的な例を簡単に説明しようかと思います。
例として使うのは、「Rep2」という2ch ViewerのWebアプリです。
2chというものを知らない人はあまり居ないのではないかと思いますが、実際に閲覧してみると広告があったりして読むのが非常に面倒なものです。なので普通は専用のViewerアプリを使用したりするものですが、Rep2というのはそれのWeb版になります。元々はサービスにも使用されていたp2というphpのWebアプリを、いろいろな方が拡張して多機能で便利なものにしていったもので、個人のWebサーバーを持っている方が自分用に導入したりするものでした。携帯やスマホ、PCから、一貫して同じ内容を読めるため、非常に便利なものです。
私自身も、以前はQNAPのWebサーバーにRep2を仕込んで利用しておりましたが、いつの時期からか2ch側の規制でRep2だけでは閲覧が出来ない状態になり、専用のProxyサーバーを導入する必要などが出てきました。ただしこの環境づくりが非常に面倒で挫折していたところ、Dockerのイメージに、この面倒なProxyサーバーや、Rep2に必要なライブラリなどを一式組み込んで、すぐに稼動可能な環境を提供されていることが分かりました。
では、早速そのDockerの導入をしてみましょう。
- App Centerから、QPKGの「Container Station」を導入します。
- Container Stationを起動し「コンテナの追加」を選択します。
- 検索画面に「rep2」と入力して検索します。
- 「Docker Hub」の検索結果から、「pengo/rep2」を選んで「インストール」を選択します。
- インストールバージョンは、「latest」を選択します。
- 警告文が表示されますが、「理解しました・・・」のチェックを入れて「OK」を選択します。
- コンテナの作成では、「詳細設定」の「ネットワーク」をクリックして、以下を変更します。
- ネットワークモードは「NAT」(変更しない)
- ポートフォワーディングのホストは任意のポート
これが実際にアクセスするための外部のポートになります。
このポートに外部からアクセスできるようにルーターの設定をしてください。(ポートフォワーディング設定) - コンテナ側は「80」(変更しない)
- プロトコルは「TCP」(変更しない)
- 「作成」をクリックすると、自動でイメージを適用します。(少し時間がかかります)
- 作成が完了すると、「コンテナ」のところに、作成されたイメージが出てくるので、選択するとコンソールが確認でき、イメージが稼動していることが確認できます。
- 以上でDockerでのイメージ導入は終わりです。Container Stationは閉じてもOKです。
さて、これで終わりではありません。
次に、ネットワークの設定/確認が必要です。
- 「ネットワークと仮想スイッチ」というアプリがありますので、それを起動します。
- ネットワークの概要で、作成したコンテナーが次のように接続されていることを確認してください。
この状態にて、Webブラウザから、次のアドレスにアクセスしてみてください。
http:// QNAPユニットのIPアドレス : コンテナで設定したポート番号
すると、うまく動いていれば次のような画面が表示されると思います。あとは、ユーザーとパスワードを新規登録して、ログインするだけです。最初はなかなか記事が表示されなかったりますので、左上の「更新」を押したり、思いつくキーワードでスレッドを検索していくと最新の情報が読み込まれるようになるかと思います。Rep2の具体的な設定や使用法については検索してみてください。
以上、簡単でしたがDockerによるRep2の導入方法でした。これは一例ですが、Dockerには様々なイメージが登録されております。Docker同士を連携させたり、ほぼ何でも出来る環境です。これを始めると速いCPUと大量のメモリが欲しくなりますね。いろいろと試して、フィードバックをいただけると嬉しく思います。
APPセンターにContainer Stationがありません?
ご使用のモデルは何ですか?
Container Stationは基本的にIntel CPUを搭載しているモデル向けです。
古いモデルや、ARMベースモデルまたは入門レベルモデルでは使用できません。
さらに、追加のメモリも必要である点にご注意ください。