Official QNAPブログ

SSDオーバープロビジョニングを理解する

ソリッドステートドライブ(SSD)の値段がさがりつつあることから、NASのパフォーマンスを安価にブーストできるようになりました。QTS 4.3.5には、QNAP NASで使用される際にSSDの機能をブーストするための新しい機能が含まれています。

市場研究によると、2018年前半における、さまざまなSSDの平均値下げは5~10%で、今年後半も値下げが続くことが想定されています。これにより、エンドユーザーはSSDを利用しやすくなります。QNAPは、さまざまなSSDアプリケーションテクノロジーの開発を継続し、NASユーザーがシステムパフォーマンスを向上できるようにしています。SSDを購入する際、一部のユーザーはMLCの購入を好み、その他の方々は、コントローラーの種類で選択をしています。考慮すべき要素はたくさんありますが、SSDパフォーマンスと寿命に大きく影響するオーバープロビジョニング(OP)については、あまり知られていません。

(ソース:SanDisk)

SSDの高性能の維持。

すべてのSSDには、OP用の容量が事前に用意されています。これにより、SSDの容量がなくなりそうになったときに、パフォーマンスに影響を与えることなく、データの書き込みを継続できます。ただし、この事前に用意されている容量がすべて使用されてしまうと、新しいデータを書き込む前に、SSDの内部データの再構成が必要となります。このデータの再構成は、SSDパフォーマンスと寿命の両方に大きな影響を与えます。OP容量が不十分なSSDは、顧客が去った後にテーブルをきれいにする時間をとれないスタッフのいるレストランのようなものです。このような状況では、来店の客がドアで待つことになります。OP用の追加容量を設けることで、新たな来店の客に別の新しいテーブルを提供することができるようになります。

(ソース:Micron)

SSD業者の費用面や全般的な使用例から、一般的な顧客を対象としたSSDには、最低限のOP容量しか設けられていません。より大きなOP容量を利用したい場合は、高額なエンタープライズレベルのSSDが必要となります。OPの追加容量は、OSレベル(またはソフトウェアで)で予約することができます。主流なSSD業者の研究によると、512GBのコンシューマーレベルのSSDでは、OP用の追加容量を5%追加することで、SSDの寿命(書き込み耐性)を2倍以上にでき、ほぼ100%パフォーマンスを向上できます。ただし、OPをセットアップする作業は簡単ではありません。

(QNAPの内部テスト。結果は、使用している環境やハードウェア/ソフトウェア構成によって異なる場合があります。)

エンタープライズ級のパフォーマンスおよび寿命をコンシューマーレベルのSSDで得るために、OPに追加容量を割り当てます。

QTS 4.3.5から、SSDの最大60%のキャパシティをOPに割り当てることができます。これにより、コンシューマーレベルのSSDがエンタープライズ級のSSDのパフォーマンスと耐久性を得られるだけでなく、ユーザーは十分なOP容量を構成することで、より高度なパフォーマンスをさまざまなアプリケーションで確立することができるようになります。また、QTS 4.3.5ではSSDプロファイリングツールがあり、ユーザーはSSDの機能をテストできます。SSDプロファイリングツールは、推奨の追加OP容量設定を表示します。これにより、SSDの信頼できるパフォーマンスと寿命を簡単に向上できます。

(SSDプロファイリングツールテスト結果)

SSDでQNAP NASを最適化します。より高度なパフォーマンスを安価に活用します。

SSDが値下げされ、QTS 4.3.5における追加のOP構成により、ビジネスユーザーおよびホームユーザーは、QNAP NASにSSDを導入すべき時期を迎えていると言えるでしょう。より高速で、レイテンシの少ないSSDは、NASで考えられるすべてのアプリケーションのパフォーマンスを向上します。これらアプリケーションには、家庭ユーザー用のマルチメディアやファイルのバックアップ、ビジネスユーザーの仮想化、データベース、サーバータスクなどがあります。QNAPは、5つの3.5インチドライブベイと4つの2.5インチドライブベイを持つTS-963X、3つの3.5インチドライブベイおよび3つのM.2 SATA SSDスロットを持つTS-332Xを含め、ハイブリッドストレージNASを提供しています。また、QTSはSSDキャッシングおよびQtier自動階層化レイヤリングもサポートしており、QNAP NASのストレージパフォーマンスをさらに改善することができます。

詳細については、QNAPビデオ 「QTS 4.3.5プレビュー:ストレージを向上してパフォーマンスを最大化する」をご覧ください。

*SSDは別売りです。一部のQNAP NASモデルは、QM2拡張カード(別売り)によるM.2 SATA/PCIe NVMe SSDを使用します。NASに直接取り付けられているM.2 PCIe NVMe SSDは、SSDキャッシュの一部としてのみ使用できます。

Subscribe
更新通知を受け取る »
guest

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

0 コメント
Inline Feedbacks
View all comments