前回、TVS-472XTを購入したと書きましたが、今回は何故この機種を選んだのかについてお話いたします。人それぞれNASを使う目的は異なりますが、皆様がQNAPのNASを選ぶ際の参考になればと思います。
自分のニーズと照らし合わせて必要なものを。
どんな物でも買うときは、目的を明確にして必要なものを選びますよね。もちろん将来性も含め、どのように使うかを頭の中で想像し、シミュレーションした上で購入しないと後悔することになります。
QNAPの提供している製品のラインナップは非常に幅広く、様々なニーズに対応できるようになっているため、購入する際はどの様な目的のためにQNAPのNASを使うのかをよく考えて検討してください。
目的を明確にして、使用状況をイメージする
まずはNASに何をやらせたいか考えてください。いまは不要でも将来的にでてきそうな要望まで考慮できればなお良いです。そして日常の中でどのように運用するかもイメージしてください。
- 単純なファイルサーバーなのか、アプリを沢山使うのか?
- 24時間稼働のカメラ監視サーバーを運用するのか?
- 容量や転送速度はどの程度必要?
- 耐障害性やデータ保全の期待レベルは?
- 将来、容量が不足した時の対応は?
- 普段置く場所はどこなのか?許容される騒音レベルは?
- などなど
目的に応じて必要となる要素を確認する
そしてNASを構成する要素は基本的にPCと似ています。つまり、以下の様な項目です。PCで言うところのOSは決まっているので、OS以外の部分という感じですね。(補足:QTS HEROというZFSが使えるより信頼性の高いOSや、エンタープライズ向けのESシリーズといったOSも有りますが、使える機種は限定されます。)
- CPU(サーバー/マルチメディア機能をどの程度使うか)
特にQNAPではエントリー向けのARM系CPUと、アプリ等を動かすのに適したx86/x64系のCPUが有ります。省電力への拘りや予算の制限が無い限りは、x86/x64系を選んだ方が無難ではないかと個人的には思います。 - メモリー(機能を同時にどれだけ動かすか)
これも多いに越したことはありませんが、ファイルサーバー用途であれば標準のままでもOKです。 - ストレージ(必要な容量/HDDなのかSSDなのか?/搭載本数/RAIDレベル/必要な転送速度/等)
搭載するHDD/SSDの本数によって対応するRAIDレベルや、RAIDアレイの転送速度も変わります。 - ネットワーク(転送速度/ポート数/タイプ)
上記のストレージ構成で速い速度が出せる場合は、ネットワークも速い構成が好ましいです。10GbEの場合は通信相手側の構成も必要ですが、将来に向けての投資もアリかと思います。今は便利な5GbE USBネットワークアダプタのQNA-UC5G1Tなんかも有ります。 - 筐体サイズ/消費電力/ノイズレベル
サーバーとして常時起動する前提の場合、消費電力やノイズレベルは確認すべき項目です。 - 拡張性
PCIeを搭載しているハードであれば、各種ボードで将来的に機能を拡張することも可能です。 - などなど
自分が本当に何をしたいのかを良く考えて、それに応じて必要な要素を構成してください。
最強の自宅サーバーが欲しい!
自分の場合、NASを自宅サーバーとして使うことに重点を置いています。もちろん基本のNAS機能も重要ではありますが、さらに各種サーバー機能を動かす能力が高いことが重要であると考えています。そして、家に置くために音が静かであることや、部屋に置くサイズも重要です。つまり、高性能/静音/サイズのバランスが取れているものが欲しいのです。
具体的な検討項目は?
各項目別に自分にとって重要な内容を整理すると次のようになりました。
- CPU:サーバー用途に応える高性能CPUは必須!
いままで使っていたTS-451のインテル® Celeron® プロセッサー J1800では全く物足りない!アプリやサーバーを動かすのも、サムネイル生成やトランスコーディングもCPUが強力である必要があります。TVS-472Xにはインテル® Pentium® Gold G5400T プロセッサーが載っています。ユーザーベンチマークの比較では、+278%の性能差なので別世界のはず。(実はもう一つ秘策がありこの機種を選んでいます) - メモリー:多数のサーバーアプリや仮想化が快適になる大容量メモリも必要
仮想化機能などを多く使う予定なので、32GBはメモリを搭載したいところです。 - ストレージ:高速ストレージのM.2 NVMe SSDでQTeirを構成したい
ストレージも高速なSSDを載せたい。さらに、どうせ載せるならNVMeでPCIe接続の高速SSDを載せたいです。その速度がいま必要かどうかは関係ありません(笑) それに、ちゃんとQTier機能も使ってみたいですしね! - ネットワーク:高速ネットワークの10GbEとThunderbolt3も欲しい
どうせならネットワークもアップグレードしたい!今買うなら10GbEは当たり前。ノートPCについているTB3も折角だから有効活用したいです。これも、その速度がいま必要かどうかは(ry… いずれその恩恵を受ける時がきっと来るはずです。 - 静音/省スペース:そこそこ静かであればOK
高性能NASだからといって、デカくて煩いのは邪魔になります。自宅に置くのですから、小さ目で静かな方が好ましいです。筐体の大きさはHDDが4本入れば良いです。TVS-672XTだとファンが背面のファンの径は小さくなって2個になるため、ノイズレベルが上がります。 - 拡張性:将来的にはPCIeスロットにGPUを追加したい
PCIeカードのスロットで、将来の拡張性も確保できます。GPUを追加することで、単純なグラフィックパワーの追加だけでなく、AI機能の強化などもできます。
上記項目を考慮すると、TVS-472XTが現時点で『最強の自宅サーバー!』という結論に達しました。(※あくまで個人の見解です。)
オプションも考慮して
さらに、追加のオプションもどの程度必要か考慮しておいてください。今回は、以下のオプションを検討しました。
- 3.5インチHDD 12TB x 2個 (これが無いと使えません!本数は移行作業後に少しづつ増やす予定です)
- SO-DIMM 16GB DDR4-2666 x 2枚 (メモリ合計32GB)
- M.2 NVMe SSD 1TB x 2枚(SSD合計2TB)
- 5GbE USBネットワークアダプタ(QNA-UC5G1T)(データ移動を少しでも速く)
- Thunderbolt 3対応ケーブル(ノートPCからの大量データ移動用)
- 秘密(?)のパーツ(秘策です)
かなり贅沢な構成だとは思いますが、できるだけ長く使いたいので妥協は無しです! ということで、次回からは『最強の自宅サーバー!』を作るために、TVS-472XTのセットアップをご紹介したいと思います。
QNAP Club Japan!の管理人です。
TVS-472XTを使用中。